前立腺肥大症
前立腺は膀胱の下部、尿道の奥にあり、前立腺が大きくなると尿道が圧迫され尿の勢いが悪くなります。また、尿の回数が多くなる(頻尿)、尿が漏れそうになる(尿意切迫感)などの症状も出てきます。進行すると、尿が全くでなくなる(尿閉)こともあります。
ある調査では、50〜65歳の男性の約15%、65〜80歳の男性の約25%がある程度の症状を伴う前立腺肥大症の患者さんであると言われています。男性ホルモンの存在と加齢が前立腺肥大症の発生と進行に影響していると思われますが、原因の詳細は明らかではありません。
前立腺肥大症での尿のトラブル
前立腺肥大症の治療
さまざまな治療法がありますが、まずは薬物療法を行います。1剤で効果がなければ数剤を組み合わせることもありますが、それでも効果が乏しければ手術を考慮します。
α1受容体阻害薬
- 薬物療法で最も多く使われている治療法です。
- 前立腺や尿道の筋肉をリラックスさせ尿を出やすくさせます。
5α還元酵素阻害薬
- 前立腺を縮小させるはたらきがあります。
- 効果が現れるまでに数ヵ月間かかります。
- 薬をやめると元に戻ることもあります。
- 前立腺がんの発見の妨げになることもあります。(PSA低下)
PDE5阻害薬
- 下部尿路組織の血流及び酸素供給が増加し、排尿障害の症状が緩和されます。
- 狭心症、心筋梗塞で硝酸剤などを使用している方は服用できません。
漢方薬など
- 排尿症状を楽にしますが、詳しいことはわかっていません。