過活動膀胱
尿意切迫感(尿がしたくて我慢が出来ない状態)を自覚した場合、過活動膀胱である可能性があります。頻尿や尿失禁を伴うことが多いです。
ある調査では800万人以上が罹患しており、その頻度は加齢とともに増加し、40歳以上の男女の8人に1人が、過活動膀胱の症状があると言われています。
原因として考えられることは、
- 神経系のトラブル(脳梗塞、脳出血、脊髄疾患、神経の病気)
- 非神経系のトラブル(出産・加齢などによる骨盤底筋の機能低下、前立腺肥大症)
- 原因不明の過敏症状(最も多い)
診断には、過活動膀胱症状質問票(OABSS)や腹部エコー検査(残尿測定)といった検査が行われます。感染症や結石、腫瘍でも似たような症状が起きるため、その検査が必要なこともあります。
膀胱が勝手に縮んだり、過敏な働きをするために、 尿が充分たまっていないうちに、急にがまんできない尿意が起こります。
治療はどのように行われるのですか?
薬による治療
抗コリン薬、β3受容体刺激薬という薬が主に使われます。その他の治療
- 「膀胱訓練」や「骨盤底筋訓練(骨盤底筋体操)」というトレーニングも効果があります。
腹圧性尿失禁
尿道などを支えている骨盤底筋などの働きが弱くなることで尿道をうまく締められなくなり、尿もれを起こします。過活動膀胱と腹圧性尿失禁の両方の症状がみられる方もいます。
40歳以上の女性の8人に1人が、腹圧性尿失禁の症状を経験していると言われています。 とくに、出産を経験した女性に多くみられる傾向があります。 次のような強い腹圧がかかるような動作をした時、尿がもれてしまいます。
- 咳をする、くしゃみをする、笑う。
- 走る、テニスやゴルフなどのスポーツをする。
- 重いものを持ち上げる。
- 坂道や階段を上り下りする。
骨盤底筋が弱くなったり傷んだりすることによって、尿道をうまく締められなくなり、尿もれを起こします。
治療には薬物療法のほかに、骨盤底筋体操、手術などがあります。