前立腺癌
前立腺癌は現在男性で患者数が最も多い癌です。ほかの臓器の癌とは異なり、ゆっくりと進行するため、早期に発見できれば、治りやすい癌であるといえます。
しかし、初期には自覚症状がほとんどないため、発見が遅れることがあります。進行すると最終的には骨やほかの臓器にまで転移することがあるため、早期に発見し、適切な治療を行うことが大切になります。
腫瘍マーカーのPSAが診断の手助けとなり、生検で確定診断が得られます。
前立腺癌の検診・検査と診断の流れ
膀胱癌
最も一般的な膀胱癌の症状は無痛性の血尿です。他には頻尿や頻繁に尿意を感じるといった膀胱炎のような症状が出る時もあります。膀胱炎がなかなか治らない方は膀胱癌の可能性もあります。血尿が出たからと言って必ずしも膀胱癌であるということはないですが、このような症状がある方は泌尿器科専門医への受診をお勧めします。
はっきりした原因はわかっていませんが、喫煙する人はしない人に比べ2~3倍膀胱癌になりやすいと言われています。また、染料や化学薬品を扱う職業でも膀胱癌になりやすいという報告もあります。
膀胱癌は表在性と浸潤性に分かれます。表在性は経尿道的手術で腫瘍のみを切除しますが、浸潤性は膀胱を全て取り去る手術をします。詳しくは泌尿器科専門医にお尋ねください。
腎癌
初期の腎癌には特徴的所見はなく、ほかの病気の検査や健診などで偶発的に見つかることがほとんどです。大きくなると血尿、腰の痛み、しこりが触れるといった症状が現れてきます。検査はエコー、CT、MRIなどです。気になる症状があれば泌尿器科専門医の受診をお勧めします。
原因としては喫煙、肥満などが挙げられていますが、はっきりしません。遺伝的に発生する腎癌もあります。
治療は手術が主で、近年では内視鏡手術支援ロボットのダヴィンチを用いたロボット支援腎部分切除術が行われています。薬物治療では分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などがあります。
精巣癌
10万人に1人程度がかかる比較的まれな癌です。10~30歳代の若年者に多く、治癒が見込める癌ですが、進行が早く転移しやすいため、早期の治療が必要です。転移の場所はリンパ節や肺が多いです。
症状は精巣の無痛性腫大ですので、このような症状が出たら一刻も早く泌尿器科専門医を受診してください。